12月 おでん

12月 おでん

12月 おでん  師走になるとおでんが食べたくなるということはない。夏の暑い時でもおでんは食べたい。自分にとっておでんは季節ものではないのだけれど、世間では、例えばコンビニでも夏の暑い時におでんは扱っていないから、やはり …

11月 BEAUJOLAIS NOUVEAU

11月 BEAUJOLAIS NOUVEAU

11月 BEAUJOLAIS NOUVEAU  外国語を正確にカタカナ表記するのは難しい。11月第3木曜日の解禁日が近づくと、いつにも増してそれを意識する。「ボージョレ・ヌーボー」なのか「ボジョレー・ヌーボー」なのか、さ …

10月 鮭

10月 鮭

10月 鮭  ぼくは鮭が大好きだ。そして「鮭」を「さけ」と読む。それは北海道生まれだからなのかもしれない。東京で暮し始めてすぐの頃は、鮭が「しゃけ」と呼ばれていることにものすごく違和感があった。  ところで1年中いつでも …

9月 栗

9月 栗

9月 栗  たぶん自分が好きだからそう感じているに過ぎないとはわかっているが、いま栗が旬であるということについて、世の中はとても親切というかお節介というか、とにかく「栗が旬だから早いとこ食べてくださいね」というアピールが …

8月 トウモロコシ

8月 トウモロコシ

8月 トウモロコシ いちおうタイトルをトウモロコシとしたけれど、北海道生まれのぼくには「トウキビ」という呼び方のほうがいまだにしっくりくる。東京で暮らし始めた時に、周囲のみんながトウキビをトウモロコシと呼ぶことに驚いた。 …

7月 マンゴー

7月 マンゴー

7月 マンゴー  マンゴーの原産国はインドなのだそうだ。マンゴー・チャトゥニやマンゴー・ラッシーがすぐに頭に浮かぶ。海外で食べたマンゴーで強く印象に残っているのは、タイのチェンマイと台湾の台南だ。  チェンマイの市場や露 …

6月 空也最中

6月 空也最中

6月 空也最中  梅雨入りが話題になり始めると、ぼくは『空也』の最中(もなか)が気になり出す。説明の必要はないかもしれないけれど、念のために言うと『空也』は銀座にある和菓子屋で、この店でいちばん人気のお菓子が最中である。 …

5月 そうめん

5月 そうめん

5月 そうめん  そうめんを「食べる」のに季節を考えることはあまりないけれど、「流す」となると話は別である。  鹿児島に通い始めた頃に連れていってもらった指宿の唐船峡というところで、そうめん流しをはじめて体験した。何年前 …

4月 蕗の薹(フキノトウ)

4月 蕗の薹(フキノトウ)

4月 蕗の薹(フキノトウ)  いま好物と思っている食べ物には、子供時代は見向きもしなかったものがわりと多い。その代表はカスベ(エイ)。学校から家に帰り、戸を開けた瞬間にカスベの煮付けの匂いがしたら、必ず「なんだ、今日はカ …

3月 桜餅

3月 桜餅

3月 桜餅  ぼくの生まれ育った北海道の田舎町では、春の和菓子といえば桜餅とうぐいす餅だった。つぶつぶねちねちした桜餅の食感があまり好きではなく、求肥で餡を包んだうぐいす餅ばかりを食べていた。ところが、東京で暮し始めてし …

2月 板チョコ

2月 板チョコ

2月 板チョコ  2月は、街を歩いても地下鉄や電車に乗っても、一年でいちばんチョコレートという文字や写真を目にする季節なので、いつにも増してチョコレートについて考えてしまう。  チョコレートはやっぱり板チョコだよとカミさ …

1月 お雑煮

1月 お雑煮

1月 お雑煮  おせちは視覚的に訴えるものが大きくてすごくテンションが上がるのだが、華やかなわりにはすぐに飽きてしまう。それに比較して、お雑煮には餅というしっかりとした中心があるからか、「これ、毎日でもいいな」と思えるほ …

第11話 朝のレコード

第11話 朝のレコード

第11話 朝のレコード  前にも書いたけれど、いま音楽はラジオで聴くことがほとんどだ。自分の意思をできるだけ抑えて、知らない音楽や忘れていた音楽に出会いたいと考えている。とはいえ、家にはたくさんのレコードやCDがあって、 …

第10話 朝の神社

第10話 朝の神社

第10話 朝の神社  信仰上の理由ではないのだけれど、場所として気持ちが良いので、どこに行っても神社にお参りする事が多い。それが早朝であれば、清々しさは格別なものになる。  伊勢神宮にはじめて行った時は、前日に名古屋に泊 …

第9話 朝のお粥

第9話 朝のお粥

第9話 朝のお粥  朝ごはんを家で食べる時はいつもお粥である。家の食事はできるだけシンプルなものが良いから、白粥と梅干しやちりめんじゃこで充分なのだ。ホテルの朝食ビュッフェや旅館の朝食を除くと、旅先で朝粥に出会う確率は低 …

第8話 朝の飛行機雲

第8話 朝の飛行機雲

第8話 朝の飛行機雲  ロサンゼルスの街が好きなのは、ダウンタウン地区を除けば、高い建物がほとんどないところだ。だから空が広い。その広い空に、早朝は(他の時間もそうなのかもしれないが)真っ直ぐな白い線が次々に引かれていく …

第7話 朝の祭り

第7話 朝の祭り

第7話 朝の祭り  7月11日に鹿児島から博多まで新幹線で移動し、そこで電車を乗り換えて佐賀県の唐津に行った。15日の朝にはまた博多まで戻り、福岡空港から東京に戻るという予定を組んである。唐津を朝6時過ぎに出れば、博多ま …

第6話 起きぬけの街

第6話 起きぬけの街

第6話 起きぬけの街  動き始めたばかりの街は気持ちが良い。ただし、繁華街の朝は前夜の騒ぎをひきずった空気がまだまだ色濃く漂っていて、饐えたゴミの匂いがするし、足取りのおぼつかない酔っ払いもいるから、あまり近づきたくはな …

第5話 朝のうどんは高速で

第5話 朝のうどんは高速で

第5話 朝のうどんは高速で  高松駅舎内に「うどん駅」という看板がたっていたりすることにはいまだに抵抗があるのだけれど、香川で食べるうどんはたしかに特別なものだと感じる。「特別」と書いたのは、うどんが自然に暮しに溶け込ん …

第4話 知らない町を歩く

第4話 知らない町を歩く

第4話 知らない町を歩く  香川県の丸亀市に引っ越した友人を驚かせようと思い付き、誰にも何も言わずに高松市へ行った。彼はベーグルを焼いていて、近所の人のための朝食用にと、毎日7時に店を開けているようだ。日帰りで行ける距離 …