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第四回 夏の早起きのすすめ

サン・デグジュペリの「星の王子様」を読んだ人は
そこに出てくるバオバブの木の物語を記憶しているかもしれません。
この物語ではバオバブはなかなかやっかいな植物として描かれます。
根を張り巡らせついには星を破壊してしまうのです。
もっと早く危険を察知し、対処すべきだというメッセージといわれます。

やっかいものに描かれたバオバブですが、意外といいやつなんですよ。
アフリカでは実を生でそのまま食べるし、ジュースにもするそうです。
成長した幹にできたウロに住むこともできます。
結構なマルチタスカーではないですか。
アフリカでは神様が木を引っこ抜き逆さに植えたという伝説もあり、
その独特なずんぐりむっくりした風貌にファンも多いのです。

そんなバオバブ好きは知っていると思いますが、
なんと京都は世界に分布するバオバブ10種類のうち
7種類を見ることができる場所なんです。
京都府立植物園の温室にバオバブたちが展示されています。
そして、これからの夏の季節はバオバブの開花期です。
直径20センチにもなる白い花が蜜を垂らして甘いにおいを充満させるのです。
実際は深夜に満開になるのですが、翌朝でも花を見ることが可能。

その花を拝みたいというバオバブファンのために
植物園は夏の開花期だけ入場時間を早めてくれるのです。素敵!
植物園のホームページをチェックして早起きする価値ありです。

ちなみに、花粉の受粉は蝶などの昆虫がするのではなく、
バオバブの場合コウモリがその役割を担います。
白い花のまわりを飛ぶコウモリの姿を想像してみてください。
夏の京都で。

 


月刊連載『僕と京都』毎月2日公開
prof_shima 嶋 浩一郎

1993年博報堂入社。スターバックスコーヒーなどで販売された若者向け新聞「SEVEN」編集ディレクター。02年から04年に博報堂刊『広告』編集長を務める。2004年「本屋大賞」立ち上げに参画。現在NPO本屋大賞実行委員会理事。06年既存の手法にとらわれないコミュニケーションを実施する「博報堂ケトル」を設立。

カルチャー誌『ケトル』の編集長、エリアニュースサイト「赤坂経済新聞」編集長。2012年下北沢に内沼晋太郎氏との共同事業として本屋B&Bを開業。

編著書に『CHILDLENS』(リトルモア)、『嶋浩一郎のアイデアのつくり方』(ディスカヴァー21)、『企画力』(翔泳社)、『このツイートは覚えておかなくちゃ。』(講談社)、『人が動く ものが売れる編集術 ブランド「メディア」のつくり方』(誠文堂新光社)がある。

好きなもの:ブルゴーニュワイン 地図帳 吸引式万年筆 時刻表 シングルモルト 新聞 年功序列とサラリーマン 歌川国芳 アヒルストア 小津安二郎 博士の異常な愛情 ウディアレン 鉛筆 檜のお風呂 ポストイット 僕は散歩と雑学が好き 神保町 マルセルラピエール アポロ計画 ラジオ 教育テレビ 京都