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第三回 流れが合流する場所

京都の博物館や美術館。よく、訪れます。
琳派のコレクションが多数ある細見美術館や、
お茶碗を見に楽美術館に行くのが好きです。
三条通にある京都文化博物館は、
なるほどそうきたのね、という展示が行われていることが多いですね。
先月訪れた時はイギリスの植物画を展示していました。
大航海時代に世界にプラントハンターを送り込んだ帝国が
植物をどうとらえていたのか体系的にまとめてあって興味深かった。

ちょっと前のことだと思いますが、
この京都文化博物館にぶらりと立ち寄ったら、
インカ帝国に関する展示をしていたことがありました。
その展示品の中で興味深かったのが「水路」です。
インカ人たちは水の流れが合流する場所を神聖な場所として
あがめていたそうで、人工的に水を合流させる水路をつくったそうです。

その展示をみて、あ、人間って同じ感覚をもつんだなって思ったのです。
いわゆる鴨川デルタ。高野川と賀茂川が合流して鴨川になるあの場所、
下鴨神社があって静謐な空気がただよってますよね。神聖な何かを感じます。
ある人に言わせると水の流れが合流すると、しぶきが上がって虹が出て、
あたらしいなにかが生まれるから古代の人は水の流れが合わさる所を
特別な場所と考えたんだそうです。
人と人の出会いも似ているかもしれませんね。

今年も夏がやってきます。
ドMだからなのか、京都の暑い夏はきらいじゃないんです。
汗だくになりながら下鴨神社の古本市で本を物色しています。
今年は古本市の後に鴨川デルタをブラブラしてみようと思います。
ちなみに、古本市でのランチは近くの生研会館の洋食がおすすめです。

 


月刊連載『僕と京都』毎月2日公開
prof_shima 嶋 浩一郎

1993年博報堂入社。スターバックスコーヒーなどで販売された若者向け新聞「SEVEN」編集ディレクター。02年から04年に博報堂刊『広告』編集長を務める。2004年「本屋大賞」立ち上げに参画。現在NPO本屋大賞実行委員会理事。06年既存の手法にとらわれないコミュニケーションを実施する「博報堂ケトル」を設立。

カルチャー誌『ケトル』の編集長、エリアニュースサイト「赤坂経済新聞」編集長。2012年下北沢に内沼晋太郎氏との共同事業として本屋B&Bを開業。

編著書に『CHILDLENS』(リトルモア)、『嶋浩一郎のアイデアのつくり方』(ディスカヴァー21)、『企画力』(翔泳社)、『このツイートは覚えておかなくちゃ。』(講談社)、『人が動く ものが売れる編集術 ブランド「メディア」のつくり方』(誠文堂新光社)がある。

好きなもの:ブルゴーニュワイン 地図帳 吸引式万年筆 時刻表 シングルモルト 新聞 年功序列とサラリーマン 歌川国芳 アヒルストア 小津安二郎 博士の異常な愛情 ウディアレン 鉛筆 檜のお風呂 ポストイット 僕は散歩と雑学が好き 神保町 マルセルラピエール アポロ計画 ラジオ 教育テレビ 京都