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第十一回 リンゴと洋梨の時間

京都に行くとかなりの頻度でお邪魔するのが、
寺町二条のバー〈カルバドール〉。
名前の通りカルバドスがある店です。
あるといっても、その数は尋常ではありません。
世界のカルバドスファンがわざわざ訪れるくらいの品揃えなのです。
僕は晩ご飯に出かける前のウエイティングバー的に
使わせてもらうことが多いです。
カルバドスについてそんなに詳しい訳ではないので、
その日の気分で店主の高山さんにオススメのカルバドスを選んでもらいます。
夏になるとソーダ割が美味しい。
カルバドスというのはフランスのノルマンディー地方でつくられる
リンゴ・洋梨の蒸留酒。
ルールでは原材料がリンゴ100%、リンゴと洋梨混合、洋梨100%まで
カルバドスと名乗っていいらしいのですが
洋梨100%のカルバドスはつくられていないとか、
カルバドスに使うリンゴは木からもぎ取るのではなく
地面に落ちたリンゴを拾って使うとか、
カルバドスにまつわるへぇーという話を
店主の高山さんに聞きながら、
これからどこの店にいこうかなあなんてことをいつも考えています。

 


月刊連載『僕と京都』不定期公開
prof_shima 嶋 浩一郎

1993年博報堂入社。スターバックスコーヒーなどで販売された若者向け新聞「SEVEN」編集ディレクター。02年から04年に博報堂刊『広告』編集長を務める。2004年「本屋大賞」立ち上げに参画。現在NPO本屋大賞実行委員会理事。06年既存の手法にとらわれないコミュニケーションを実施する「博報堂ケトル」を設立。

カルチャー誌『ケトル』の編集長、エリアニュースサイト「赤坂経済新聞」編集長。2012年下北沢に内沼晋太郎氏との共同事業として本屋B&Bを開業。

編著書に『CHILDLENS』(リトルモア)、『嶋浩一郎のアイデアのつくり方』(ディスカヴァー21)、『企画力』(翔泳社)、『このツイートは覚えておかなくちゃ。』(講談社)、『人が動く ものが売れる編集術 ブランド「メディア」のつくり方』(誠文堂新光社)がある。

好きなもの:ブルゴーニュワイン 地図帳 吸引式万年筆 時刻表 シングルモルト 新聞 年功序列とサラリーマン 歌川国芳 アヒルストア 小津安二郎 博士の異常な愛情 ウディアレン 鉛筆 檜のお風呂 ポストイット 僕は散歩と雑学が好き 神保町 マルセルラピエール アポロ計画 ラジオ 教育テレビ 京都